昨日はまず川畠成道さんのクリスマス チャリティー・コンサートに行って来ました。オケは小編成(65431)のアマデウス室内オーケストラ。
最初のモーツァルト/ヴァイオリン協奏曲第3番から実に鮮烈な名演。川畠さんの情熱がほとばしるような華麗なヴァイオリンソロでした。
次はフランスの名ヴァイオリニストで川畠さんの師に当たるジェラール・プーレが登場し、バッハ/二つのヴァイオリンのための協奏曲を。こちらは一転、真摯でスリリング、火花を散らすような師弟共演となりましたが、特に第2楽章は素晴しく滋味豊かな名演でした。
後半の小品集はまず新レパートリーのサラサーテ「アンダルシアのロマンス」から。 これは低音中心の太い音で歌われ野趣満点です。次は定番、ブラームス/ハンガリー舞曲第5、6番で川畠さん独特のくずし方が聴きもの。ある日、街角で偶然聴いたジプシーヴァイオリンが強いインスピレーションを与えたようです。続くロシア民謡の「二つのギター」は加速や減速が変幻自在。そしてご存じ成道のアヴェ・マリアことグノー「アヴェ・マリア」。これはチェンバロでしっとりと弾かれました。最後のディニーク「ひばり」は「クマバチは飛ぶ」のような無窮動ですが、雲雀のさえずりを模したりの素敵に楽しい佳品です。
演奏終了後のサイン会にて

記念にしたいのかヴァイオリンケースにサインを頼む人も。川畠さんのように上手になれるかな。

ありがとうございます
夜は武蔵野文化会館で行われた早稲田大学フィル(早稲田大学交響楽団とは別団体)の演奏会に行きました。
指揮は小林研一郎と飯守泰次郎の両方の弟子である海老原光。
人気指揮者下野竜也さんと同じ薩摩隼人ですが、ご覧の通り外見もイケ面だし、鹿児島ラサールから藝大へ進学してコバケンに師事したという対照的な新進指揮者です。
2年間、東京シティフィルの指揮研究員として飯守泰次郎、矢崎彦太郎両氏の下で研鑽を積む。
先日関西フィルでデビューし、現在売り出し中のバリバリの新人。
のだめにでも出て来そうだし、そういう売り方もできそうだけど、今後も是非下積みの指揮者修業を続けて欲しいですね。
若手指揮者を聴きに行って一番ガッカリするのは、ただオーケストラをまとめるのに終始するだけで、その人の表現意欲が感じられない場合です。その点、海老原さんは違っていました。後で聞いてみたらオケと衝突したこともあったそうです。
最初の「セビリアの理髪師」序曲からスピーディーな演奏で、色々やってましたね。
第2主題でセカンドヴァイオリンがリズムを刻むのも弓の半分より先の方で弾かせ、コルレーニョみたいになったり。また時には指揮台上で飛び上がったり「役者やのー」。やっぱり指揮者にはどうしても俳優としての才能が必要です。その意味で海老原さんは名優になれそうです。
次のブラームスヴァイオリン協奏曲は植村太郎という23歳の新進ヴァイオリニストの独奏によるもの。この人は先月9日、虎ノ門のJTアートホールアフィニスで行われたJTが育てるアンサンブルシリーズの第27回「若い本格派!」に登場したJupiter弦楽四重奏団の第1ヴァイオリンで元東京カルテットの原田幸一郎氏の秘蔵っ子でしょう。イケ面系ではない端正な顔立ち(顔の輪郭はハイフェッツ似?)、江藤俊哉とか海野義男の後継者になりそうな本格派です。演奏は気合い入ってましたねえ。真摯で熾烈なヴァイオリン。カデンツァは今一つでしたが、小品を上手く聴かせるとかも今後の課題でしょう。
後半はシベリウス/ 交響曲第2番で、何とトロンボーン奏者は6人。そのせいか金管のクレッシェンドは凄まじかったですね。これまた濃厚でやりたい放題の爆奏となりました。さらに演奏終了後の気持ちのこもった演説(御礼と4年生を送る言葉)もコバケン譲りか。もちろん語彙は炎のマエストロとは全然違ってましたけど。
この人は今後必ず出て来るでしょうね。要注目の若手指揮者です